防人の歌が生まれた理由
このように防人とは、辺境(国境)防備の役を担った兵士たちのことなのです。
その多くは上総国(千葉県)や常陸国(茨城県)といった東国の民がその任に命じられていた。
なぜ防人に東国の民を当てたかについては諸説あります。
白村江の戦いで九州出身の兵士たちの疲弊が激しく、また防人の徴集が緊急を要していたこと、さらに東国の民が剛健で兵役に適していたからだといわれています。
しかし、東国からはるか300里(1200キロ)かなたの九州北辺まで、強制的に国境警固のために派遣された防人たちの悲しみやつらさは、当時の交通・生活事情を考えれば並み大抵ではありません。
そこに万葉集の哀切を極めた防人歌が生まれるきっかけがあったのです。
